アニメの目

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2011春期
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花咲くいろは 第1話 「十六歳、春、まだつぼみ」 感想

いいなあ。こう、ちょっとうまくいかないけど、うまくいかないところすら愛おしような、そういうのびやかさ。すごくいいなあ。

緒花は面白い女の子だ。多くの少年少女がそうであるように、緒花も自身を好きではない。現状を変えたい。環境を変えたい。すなわち、ドラマチックでありたい。しかしドラマチックを望む幼さと、反面教師に育てられたぶんの現実的な視点を持ち合わせていて、それがトンネルの正体かと。

缶からコーンを取り出す方法を考える。孝ちゃんに質問をする。まあ、ここでの一連のやりとりは緒花に対する孝ちゃんの気の遠くなるような搦め手を強調する意味合いが強かったのだけど、それだけじゃなく、緒花の人間性についても面白いことが描かれています。

結局、緒花はコーンをどうやって取るの? 結論を出さないんですよ、彼女は。コーンだけじゃない。選択授業は決めたくない、将来のことは考えたくない。要するに、確定させるのが嫌。

だって、確定ってつまりドラマチックの終わりだから。自分が考えつくような道に確定されるのを、緒花は嫌うのです。そうやって自分をひとつひとつ自分の思惑の中で確定させていくことが、ドラマチックから遠ざかる道になるから。

しかし、なにを隠そうドラマチックはそこにあった。孝ちゃんはずっと自分のことを好きだったらしい。しかし、そう気付いた頃には孝ちゃんはすでに去ってしまっているのです。ずっと目の前にあったドラマチック(=いつもと違う孝ちゃん)に気付かなかったばかりか、手が届かなくなってからその存在に気付く。そしてトンネル気分は続く。掴み損ねたドラマチックのしっぽを都会に残して、緒花はおばあちゃんの旅館へ。

喜翠荘に着いたときに、緒花はそこを「舞台」だと表現します。こういうひと言はさすがだと思うなあ。緒花は自身をドラマの役者にしたくて、それなら喜翠荘は「舞台」であるべきだろう。これが自分の新しい場所、すなわちこれからの「舞台」であるのだ。

しかし、その舞台は緒花が望むものとは少し違う。例えば草。民子が育てた「のびる」なる植物が、緒花としてはいたくお気に召さなかったらしいのです。即、草むしり。すると自分が望んだような役者、舞台に相応しい外見をした民子が現れて、「死ね」と言われるのです。あめちゃんがよかったのにバケツと雑巾だし、同い年の仲居さんは無口だし、なんだか期待していた舞台とは少し違うような感じ(緒花はその期待すら確定させるのを嫌うのだけど)。

これじゃあ前の町と変わらない。こんな旅館で自分の望むドラマチックは起こるのか。やらなきゃ駄目だからする、では、選択授業と変わらない。廊下の掃除をしなければ寝るところがない、で、廊下の掃除をしているのであれば、ママと暮らしていたときと変わらない。

だから、胸一杯のドラマチックを常に求めているハングリー少女としては、相部屋で頑張っている女の子のために布団を干すという選択肢は、すごく自然な流れ。自身のドラマチックを求めたと、そこまで下心的、打算的であったとは思っていないけど、しかし緒花の行動の端々に、彼女の絶望的にドラマを望み、トンネルをひた走るという(1話現在の暫定的な)本性は感じられます。

自分にドラマがなくとも、せめて頑張っている民子にはなにかご褒美を。そのくらいのことは考えていたに違いない。

だからこそ、女将の語る旅館のルール(緒花にとっては理不尽の極み)が許せない。お客様第一で、自分たちの番なんて回ってこないなんて、そんなバカな、です。それでも民子を庇ってやれなかった。周りからドラマチックを奪う長い長いトンネルに対して、緒花ができたのは精一杯自分なりの筋を通すことだけ。それが悔しい。

悔しいけど挫けない。まっすぐに走り続ければ、トンネルを抜けたときのドキドキ感に出会えると信じて、悔しさを燃料にして走るのです。まだつぼみですからね。本人は過剰に嫌っているけど、まだなにも確定されていない。どんな色の花を咲かせるのかは、これからのお楽しみということで。


【余録】キャラ造形が素晴らしいです。あのおばあちゃんがいて、あのママがいて、この娘がいるのだと納得できる。この娘に、あんな男の子が惚れてしまう。あるいは、この娘が旅館で民子のような子に出会う。対人関係の中でキャラクターがぶれない。連鎖が非常に美しいと思うのです。

なんだかまだまだ語り足りない感があるのだけど、あんまり書きすぎるのもアレなのでこれにて失礼。

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