アニメの目

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2011春期
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花咲くいろは 第9話 「喜翆荘の一番長い日」 感想

なんというか、男性の欲を感じるエピソードだったな。

きっと緒花成長の物語のひとつの節目に位置付けられるのだろうけれど、それよりもむしろ、これまで描かれてこなかった男性というものが、ちょっと生々しすぎるくらいに臭いだしてきたのが印象的です。

『花咲くいろは』における女性というのは、いわば旅館みたいなもの。喜翠荘=女将さんという言い換えができるほどで、その意志を受け継いでいる緒花もまた喜翠荘。どういうことかというと、全ての人に対して等しく心遣いができるということ。

そういうふうに頑張る女性が描かれ続けてきて、そしてここへきて、そうではない男性がチラリと見える。徹さんのヘルメットを被ったときに、緒花が「男の人の頭のにおい」を感じたように、そういうリアルな感覚でもって、画面から男性というものがにおい始めました。

今回でそういうにおいをぷんぷんさせていたのは孝ちゃんと徹さん。

孝ちゃんは緒花に会うために湯乃鷺を訪れたのに、緒花とはすれ違いばかり。結局、緒花の顔を見ることもできずに帰ります。

電話のときの励ましの言葉は、むしろ励ましの言葉ではなかった。「昔からちゃんと考えて行動したことなんてなかった」「緒花がいいと思ってやっていれば、それでいい」という趣旨だけど、ここから臭うのは、いつまでも自分が知っている緒花でいてほしいという、男性の欲です。

励ますというよりは、なかば投げやり。「なにやってんだ、俺」くらいの溜息が半分混ざった言葉に感じられましたが、緒花はその言葉で「勝手に励まされた」ことになるわけです。

ずっと「いつになったら孝ちゃんは笑うのか」と思って見てたんですよ。なんだかんだ「緒花は元気にしているし、自分も役に立ったようだから、湯乃鷺まで来たのは無駄足だったかもしれないけど、まあいっか」みたいな、ほっと一息みたいな笑顔が見られると思っていたので、それはいつになるのかなあ、と。

ところがどっこい、そんな笑顔はついぞ見られず。つまり、孝ちゃんとしては全然満足していない。全然っていうのは、言葉通り、どんな小さな要素にも一切満足していない。

やっぱり孝ちゃんとしては緒花に会いたかった。ずっと二人でいたわけだから、その「二人」を取り戻したくて湯乃鷺までやって来た。だから、緒花が元気とか、お礼を言われたとかで満足できるはずがないのです。彼の、いわば独占欲は、そんなものでは少しも満たされないのだから。

それに対比されたのが徹さん。徹さんのバイクと孝ちゃんの電車がすれ違う場面が象徴的でした。

徹さんも、かなり孝ちゃんに似ている。徹さんとしては、式場を抜け出して喜翠荘に帰るのに、緒花に望まれたというのが充分な理由になります。それは決して恋愛感情とかではなく、そういうのをまったく抜きにして、女性が自分を選んだというだけで充分。

もちろん緒花だけじゃなく、男性女性で言うなら喜翠荘も女性ということになると思うけど、その喜翠荘に望まれて喜翠荘で働いている徹さんは、やはり欲を満たしているといえます。

欲の一切を満足させずに都会に帰った孝ちゃんと、欲を満足させて喜翠荘に帰った徹さん。こういう「男性の本当」の一端を、緒花は徹さんのヘルメットに感じたのだと思います。

緒花は喜翠荘で「全てのお客様に等しくおもてなしを」ということを学んでいるのだけど、実はこれが孝ちゃんを満足させはしない。なるほど、くすぶり続ける孝ちゃんは、このために火種を残しているわけですか。


【メタなことを考える】実は過去の感想で「緒花はいつまで経っても緒花で、そういうのを見ていると安心する」というようなことを書いたのですが、実はこれが、今回はピンポイントで狙われました。はい、孝ちゃんと同じ考え方なんです。

まあ、僕も男性なので仕方ないというか、ライター陣の洞察力、表現力がやはりすごいなあと思ったりしているわけですが、ここで少しメタなことを考えてみます。

視聴者としてはやはり緒花には「自分の緒花」であって欲しいという欲があります。孝ちゃんと同じです。でも、緒花はテレビの前の全ての視聴者に等しくサービスを提供しているわけで、これはかなり喜翠荘のおもてなし的。

全然いいところがないし、目立たないし、微妙な立ち位置に居続ける孝ちゃんだけど、なぜかその存在感は増すばかり、という不思議な現象は、そういう視聴者の孝ちゃんシンクロに理由があるのではないかと。

それなら緒花と孝ちゃんをくっつければこの上ないカタルシスが得られる! と思ったけど、そうするとテレビ画面の中の緒花は「孝ちゃんの緒花」になってしまって、結局だめじゃないかと、まあ、ちょっとした冗談くらいに、そう考えています。

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